おとやすみ日記

ゲームプランナー、一児の父です。

湯川潮音 『濡れない音符』 発売記念 演奏会に行ってきた。

「今年の初雪が降るか」なんて天候の中、横浜市開港記念会館に行ってきた。

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湯川潮音さんといえば、ベーシスト湯川トーベンさんの娘でありシンガーソングライターである。

10年くらい前、デビュー当時の印象のままでその後の活動を追わず、自分の中でアップデートされてこなかったミュージシャンの一人なのだが、自分もこの10年で変化し成長してきたように、湯川潮音さんの音楽も、変化し、力強くなっていた。

10年間の変化を比較してしまうのには理由がある。同じ1983年生まれだからだ。

 

蓮沼執太さんもそうだけど、同い年で活躍している人を見るのはほんと「自分も頑張ろう」って気持ちにさせられる。

「光の中の家」という曲前のMCで、祖母から受け継いだ古い一軒家を大工さんと二人で直しているという「家をつくる」エピソードを話していたときも、妙な親近感を覚えたのであった。

そしてその後のMCで、その祖母が数日前に他界され、この演奏会の後、お通夜だということも話していた。

そんな話もあり、長い月日の経過について考えさせられる瞬間が、何度かあった。「60年後の灯台守」という曲では特に。

会場の開港記念会館は大正時代に作られた古き良き趣きのある建物で、アルバム全体の雰囲気をよく表したようなツアー初日だったと思う。

サックス・フルート・クラリネットの武嶋聡さんはエゴ・ラッピンのバンドメンバーでもあり、相変わらず多忙な様子。本人は覚えていらっしゃらないと思うが、姉のつながりで過去に挨拶させてもらったことがある。なので、第一線で活躍し続けている姿を見ると本当に嬉しい。しかも好きなミュージシャンのライブを観にいくとステージ上にいることが多いので、嬉しい。

ドラムの菅沼裕太さんも、以前誰かのライブを観に行った際にいい雰囲気を醸し出していて、要チェックしていたんだけど、それが何のライブだったのかが思い出せない。

この日の演奏会では、ドラマーとして以上に、演奏会の雰囲気を作り出す大事な一員であったという印象。ドラムのない曲では、空間系なエレキギターを弾いたり、コーラスワークを見せたり、ステージ反対側のピアノの横、ステージ裾にしゃがみこみ、ピアノの藤原真人さんが両手で弾くその右側でメロディーフレーズを弾くという、連弾もしていた。

このように、限られた楽器構成で、アルバムの雰囲気を再現、いや、それ以上にその場の空気をまとった素敵空間になっていた。

なにより驚かされたのは、湯川潮音さん本人が弾き語りをしているということだった。本人やファンの方には本当失礼な話ではあるが、デビュー当時の「歌うたい」の印象しかなかったもので。

8年くらい前に、映画「スウィング・ガールズ」と同時期に「リンダリンダリンダ」という映画を見たのだけど、圧倒的に後者のほうが好きだった。ダイナミクス幅の大きいスウィング・ガールズのストーリー・演出とは全く対照的な、淡々とした雰囲気が。

主演ペ・ドゥナの可笑しい可愛らしさは言うまでもないが、そこでメインキャストたちを押しのけて印象的だったのが、その映画に出演していた湯川潮音だった。

主人公たちが文化祭の演奏に間に合うか合わないかの急いでいるシーンで、急遽ステージに上がり、はっぴいえんどの「風来坊」を歌い出すというシーン。(そんな流れだったと思う)これには、ガツーンともっていかれた。

その時、2005年の印象から止まったままであった。

最近は大森靖子のような若手女性シンガーソングライターも勢いがあるが、30代女性シンガーソングライターには、10代20代にはない魅力がある。

それを感じさせてくれる演奏会でした。

(携帯から書いてたらまとまりない文章になっちゃった。)

 

vo,/ag:湯川潮音 piano 藤原真人 cello 徳澤青弦 violin :中島久美 flute,sax,clarinet :武嶋聡 percussion : 菅沼雄太
湯川潮音/Yukawa Shione