おとやすみ日記

ゲームプランナー、一児の父です。

【書籍レビュー】シンプリシティの法則

シンプリシティの法則

シンプリシティの法則


タイトル同様、中身もシンプルな構成でした。そして、なんというか、数学的な思考に基づいて書かれているな、というのが率直な感想。という意味では自分に合っていると思いました。
本書の流れは、シンプリティについて10個の法則・3つの鍵が重要だということで、これらのキーワードをひとつずつ順番に解説していってます。
たとえば、「削減…もっともシンプルな方法は考え抜かれた削減を通じて手に入る」「学習…知識はすべてをシンプルにする」「失敗…決してシンプルにできないこともある」といった具合。(3つ抜粋してみました)
読み終わったあとも、本書で学んだキーワードをメモして手元とかに置いておくことをおすすめします。

「Shrink Hide Embody(縮小・隠蔽・具体化)」のくだりなんかは、オブジェクト指向的だなぁなんて思ったり。人生をシンプルに考えることは、プログラミングの美学に通ずるなにかがありそうです。

以下、気になったキーワードたち。
ひとつでも「なるほど」と思ったあなた、この本を読めばその3倍は「なるほど」と納得できるはず。100ページほどなので、忘れた頃に思い出してさらっと読み返してみては?


・私たちは目に入るモノをグループに分け、特徴付けしないと気が済まない
・ぼやけたグループ分けが有効なのはよりシンプルに見えるから。
・でもその一方で、抽象性が増して具体性が失われるという側面も持つ。
・だからこそ、世界をデザインするという観点から見るという、クリエイティブな方法となりうる。
・目を細めて、木を見ることで森を知るように、見る物を減らすことによってわかることが増える。

【時間の節約】
・いつ気を遣い、いつ気を遣わないかを決めることが充実した生活を送るための核心。
・縮小・隠蔽・具体化、のプロセスがここにも活かせる。(例:待ち時間とプログレスバー

レイモンド・ローウィーというデザイナーの打ち出した「ストリームライニング」というスタイリングのコンセプト。
・航空とジェット推進の美学を家電に取り入れたことが有名。
・掃除機やトースターに取り入れ、機敏でスマートな印象を与えたり。

【シンプルとコンプレックス】
・空手の黒帯に対する誇りの印とは、色が褪せて白くなるまでそれを付けることだという。
・初心者の立場に戻ることを表すためだ。田中一光氏はデザイン界の黒帯だった。
・茶碗=コンプレックス であるがために、ほかの茶道具のシンプルさが際だつ