おとやすみ日記

ゲームプランナー、一児の父です。

入社式を見ていて思ったこと、プロ意識について。

4月もはじまり、今年も入社式がやってきた。

うちの会社では毎年、
新卒が自分たちの入社式をプロデュースするという
一風変わった入社式となっている。

初々しい新卒社員たちが
「面白いことやってやるぜ」的な気合の入った入社式を企画し、
自己紹介を兼ねた演出をする。

毎年見ているけど、
なかなか個性や演出力の違いがわかって面白い。
けれども「ステージ」としての完成度はまぁまぁ(笑)

入社前だとどうしても新卒社員同士で
頻繁に会うこともないので、
一部の新卒社員がリードして考えた企画に
ほかの新卒社員はのっかるだけ、という
中途半端なものになるのでしょう。

 

自分は、ずっとバンド活動をしてきたし
ライブの裏方スタッフ経験もあるので
ライブやイベントを見ても、まず裏側を見てしまいます。

段取りや演出が中途半端なものを見ると、
とてもむずがゆくなり
居ても立ってもいられなくなります。。

壇上でマイクとプロジェクターを使ってパフォーマンスする場合、
段取り、立ち位置、進行など
起こりうるリスクを想定してるのかな?とか
気になって気になって、もう・・。

 

もう7、8年前になりますが、
"とあるライブハウス形式の海の家"を
スタッフとして手伝っていた時に出会った、
都内の某有名店で毎晩世界中の超一流ミュージシャンのアテンドをしていたMさんが、
海で言っていた一言が印象に残っています。

「大工さんはコンサートの現場でも使える人材だ」

当時、現場のスタッフの中にたまたま
コンサート設営経験のない大工さんがいたのだが、
Mさん曰く「彼ね、かなり使える人材だよ」、と。

海の家という一風変わった現場だったから、
というのももちろんありますが、
大工さんのもともと持っている「危険予知の意識」が
コンサート設営においても発揮されていたのだろうと思うのです。

 

大工さんは、常に命の危険を伴う仕事内容のため、
身の回りのリスクに関して高い意識を持っている(はず)。

お昼に昼寝をしたり、休憩をマメにとるのも
そういった意識からきているのだと思う。

コンサート制作する人間も同じで、
様々なトラブルを想定して
それらを未然に防ぐための工夫をしているのです。

自分は、ほとんどがアルバイト的立場ではありましたが
コンサート設営やPAの現場を経験してきて、
そこで身についた意識が
今の仕事に活きている、と感じる瞬間が多々あります。

 

お客さんを無意識のうちに
こちらの意図する演出に誘導する手法、とでもいいましょうか。

そういったものが身について、
今携わっているソーシャルゲーム開発にも活かされていると感じます。

音楽業界の現場とゲーム開発の現場、
まったく違う世界なのに不思議なもんだなぁ、と思いますが、
もしかすると、プロ意識というのは業種に関係なく
人の動きをシミュレーションできる能力ではないかと
思うわけです。

「若いうちにいろんな経験をしておくといいよ」
なんてよく聞きますが、その理由は
「色々な分野のプロ意識について学べる機会になるから」
かもしれません。

 

最後に。

個人的に、二年前に
新卒として壇上でくるくる回って自己紹介されてた後輩が、
ピシッとキメた格好で新卒にメッセージを送っている姿が
とても感慨深かったです。

しかもなかなかいい内容のメッセージだったのでなおさら。